コラム

【基本のキ】どんな運営形態があるの?「ホテルの分類」をおさえておこう!

2015.11.13

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ホテルは、経営方式や運営の仕方によっていくつかの分類に区分することができます。最近では、経営の安定を図るためチェーン化するところが多く目立っていますが、そもそもどういった方式があるのか、そしてそれぞれの方式の特徴とメリット・デメリットについて知っておきましょう。

いったいどういった方式が自社に合っているか、自社が目指す方式はどこかといったビジョンを明確に抱くことが重要です。



所有直営方式

資金調達能力に優れた大会社が多い、土地や建物を所有しそれを直接経営する方式です。最大の武器は“ネームバリュー”。業績が伸びていくにしたがって、経営の安定化がみられるこの方式は固定資産の保有はもちろん社会的信用も大きいために無形資産も形成されて、支店展開や経営受託といったチェーン化を図ることも可能です。ホテル経営においては基本的な形といえるでしょう。

リース方式

土地や建物は所有者から借りて、ホテル会社が運営を一手に担うのがこのリース方式です。ホテル会社は開業するにおいて様々な資金を運転するのですが、そもそもの賃借料にも膨大なコストがかかってしまうため理にかなっているとは言い難い方式といえます。

土地や建物の所有者は各地方の電鉄や保険会社といった不動産を多く保有する大企業がほとんどで、経営を任される系列子会社がこういった方式を採用しているところがよく見られます。

マネジメント・コントラクト方式

  • ホテルの所有者と経営者が運営のすべてをホテル会社に委託する方式。ホテルの売り上げに応じて運営会社には委託料が支払われる仕組みです。
  • ホテルの運営会社を所有者と運営会社の共同出資で設立し、運営会社がホテルの建物を借り入れて運営をする方式です。こちらも運営会社に委託料が支払われます。

世界基準のレベルでサービス・質が維持提供される前提の方式が下記の3つになります。加盟基準がしっかりと満たされているかどうかを確認するために、覆面の調査が定期的に行われているそうです。

フランチャイズ方式

国内外の大手有名ホテルから経営のノウハウをはじめホテルの名前を使用する権利やシステム各種を獲得するためにそのホテルチェーンに加入する方式です。

契約者には加盟するにあたってフランチャイズフィーといわれる契約金を支払ったのち、売上の一部をロイヤリティ(契約料金)として支払い続ける義務が発生します。ビッグな名前と確かな経営戦略をお金で購入する感覚といって良いでしょう。

最初から何もかも用意しなくても良い分ラクですしお金さえ用意できれば成功しやすい方式ではありますが、ロイヤリティのことを考えると運営者に利益が上がりやすいとは言い難い方式です。

リファーラル方式

同じくらいのレベルのホテル同士がタッグを組み、相互にお客さんを呼び込む戦略を練り協定を作ります。国内外の加盟ホテルの紹介や客室予約といったシステム運用と宣伝を一括して行ってもらう方式となっています。

消耗品や食品といった運営維持に必要不可欠な経費についても共同関係を築くことで、同レベルのホテル同士が潰し合いになるのを避けることができます。

アフェリエイト方式

世界の直営・独立型で有名なホテルを組織化し共同でパンフレット制作を行なったり、優先予約制度を導入したりすることで顧客の囲い込みをする方式です。一都市一ホテルを基本としており大変狭き門でもあります。