経費削減

「24時間風呂」の有益性を考える

2016.02.04

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温泉旅館などでおなじみの「24時間風呂」というサービスは、いつでも好きなときに大浴場を利用できるというメリットで、集客の大きな武器となります。

大浴場を備えている宿泊施設にとって、他の旅館やホテルと差をつけるために「24時間風呂」サービスを長年続けている、というところも多いのではないでしょうか。

しかし、改めて考えてみたいのは、このサービスが本当に必要かどうか?そして、利益に貢献しているか?という点です。

メリット・デメリットを知っておく

24時間風呂が沸いているということは、24時間ボイラーが点火され、電気代燃料代がかかっているということです。
また、大浴場の管理にかかる人件費や、リネン類などの補充・交換といった手間もかかってきます。

一方で、利用者の観点からもチェックしてみる必要があります。
いつでも好きなときに温泉や大浴場を利用できることは非常に魅力的に聞こえますが、果たして本当に24時間である必要性はあるのでしょうか。

ホテルや旅館であれば、多くの利用者はゆっくりと過ごすためにやって来ます。
おいしいご飯を食べ、ゆったりとお風呂に漬かって、日々の喧騒を忘れるために旅行に来るのです。

そんな宿泊客が、深夜の2時や3時、または早朝5時などにお風呂に入るでしょうか。

確かに、こういった時間でも入浴する人はいるかもしれません。
「他の入浴客が少ない時間に大浴場を利用したい」という人もいるかもしれません。

しかしそれは全体のごく一部にすぎず、たいていの宿泊客は日付の変わる前の時間帯に入浴を済ませ、後は客室でゆっくりと過ごしているのではないでしょうか。

どうしてなくならない?

では、なぜ利用者が少ないのに「24時間風呂」サービスはなくならないのでしょう。

一つには、入浴設備管理上の問題があります。
例えば古い旅館やホテルではボイラーが老朽化しており、一度火を消してしまうと次の着火が難しいというケースが考えられます。

この場合、ベテランのスタッフにしかボイラーが扱えないため、ボイラーを常に点火しておく方が手間がかからない、ということになります。

また、「24時間風呂」は客ウケが良い、という先入観を持っているというケースも考えられます。
本当に利用者がいるかどうかよりも、集客率をアップさせるための要素として「24時間風呂」を実施し続けているというわけなのです。

あなたのホテルはそれでも続けますか?

実際の集客数とコストを天秤にかけたとき、「24時間風呂」は効率の良いサービスとは言えない可能性があります。
利用者の客層やニーズによっては、「24時間風呂」を今後も続けていくかどうか再検討すべきかもしれないのです。

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