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「LGBT」は、インバウンド市場においても無視できないキーワード!日本の現状とは?

2016.06.21

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ここ数年、日本でもLGBTに関するニュースが取り上げられる機会が増えていると感じます。学校や企業の中でも、性的少数であるLGBTへの理解を深めようとする働きが広がりつつあり、「性」に関する多様な価値観が普及していくことが期待されています。

「性」の問題は人権や社会的問題というシーンだけでなく、旅行業界においても無視できない問題です。特に、海外からさまざまな価値観や文化習慣を持つ外国人観光客が訪れることになるホテルや旅館では、より迅速な対応が求められるのです。



LGBTとは何か?基本的な知識と対応について

「LGBT」とは、「レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー」の頭文字を取った総称です。性的少数者には、これら4つ以外の人々も存在しますが、一般的にLGBTと呼ぶときにはその人たちのことは含みません。

人間の性は男女で分けられる、と考える人が少なくありませんが、実はそう簡単ではありません。身体的な性と心の性、好きになる相手の性という3要素の組み合わせによって、その人のセクシャリティが決定されるのです。つまり、LGBT以外にもさまざまなセクシャリティを持った人が、世界中にはたくさんいるのです。

しかしながら、LGBTをはじめとする性的少数の人々は根強い偏見や差別に囲まれています。人権や差別に敏感な欧米諸国においても、いまだに同性愛や同性婚に否定的な人は少なくありません。LGBTであることをカミングアウトしたことで仕事に就けなかったり、いじめに遭ったり、暴力にさらされることもあります。

日本のインバウンド市場における「LGBT」への対応

今、世界的にLGBTを対象とした市場開拓に活気が集まっています。特に旅行業界では、LGBTの利用者をターゲットにした専用商品が続々と登場しています。その一方、日本ではどうでしょう。

「ホテルグランヴィア京都」では、欧米からの宿泊者のうち約1割がLGBTです。LGBTに理解のある飲食店を紹介できる、LGBTのカップルが宿泊に訪れてもスムーズに対応できるなど、従業員教育が徹底されているのが同ホテルの強みです。お寺と共同で、LGBT向けのウエディングプランも提案しています。

同ホテルが2006年から加盟しているLGBTの旅行を支援する国際団体「国際ゲイ&レズビアン旅行協会(IGLTA)」には、本年度より奈良市が自治体として初めて加盟を表明するなど、日本各地で「LGBTフレンドリー」を掲げる団体や機関が少しずつ増えてきています。

さらに、行政が共催者となり開催されるイベントも。LGBTをテーマとしたイベント「ピンクドット沖縄」が今年も7月17日(日)に那覇市で開催される予定です。

 

日本国内でも同性カップルを公的に認める動きが広まりつつあり、国内外の観光客に向けてLGBTに対応できる宿泊施設のニーズは高まっているといえそうです。

<参考>
ホテルグランヴィア京都 公式サイト:http://www.granvia-kyoto.co.jp/
国際ゲイ&レズビアン旅行協会(IGLTA) 公式サイト(英語):https://www.iglta.org/
Pink Dot Okinawa 公式サイト:http://pinkdotok.jp/