コラム

“当たり前の風景”を強みに変える!「日本らしさ」を活用して外国人観光客を呼び込もう!

2016.03.21

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海外からの観光客にとって、日本旅行の楽しみは「日本らしさ」を満喫すること。日本人にとっては当たり前だったり珍しくもないことが、外国人にとっては素晴らしく魅力的に思えることが実は多いのです。中でも、日本の自然や伝統的な風景は根強い人気があります。




田んぼや民家も魅力としてアピールしよう

日本人にとっては珍しくない、田んぼや古民家といった日本ならではの風景。今でも、地方部ではごく普通に存在している景色の一つです。しかし国内旅行をする日本人観光客にとっては、あえて高いお金を出してまで見に行きたいものとは言えないのではないでしょうか。

ところが海外からの観光客にとって、古き良き日本を感じさせる風景はぜひ体験したいものの一つとして高い人気があるのです。田んぼで蛙が鳴いている、雪に埋もれた古民家、四季折々の花が咲く野辺の道など、昔話のような風景は外国人観光客の心を魅了します。

周辺が田んぼばかりで面白味がない、山に囲まれて不便といったホテルや旅館のマイナスイメージがあったとしても、外国人観光客にとっては他店とは異なるアピールポイントになり得るのです。

例えば「谷根千」の愛称で親しまれている谷中・根津・千駄木のエリアは、下町情緒のあふれる町並みで日本人にとっては庶民的な親しみは湧くものの、わざわざ遠方から観光に行こうとまで思う人はあまり多くないのでは?

しかし日本に観光にやって来る外国人にとって、「谷根千」は非常に人気があります。2011年には外国人向けの観光案内施設も誕生し、「谷根千」を訪れる外国人観光客は年々増加しているのです。日本人にとっての当たり前が、海外からやってくる観光客にとっては物珍しく興味深く映るという良い例だと言えるのではないでしょうか?

「+α」で外国人観光客を呼び込もう!

外国人にとって魅力的な要素があるからといって、ただで集客ができるわけではありません。「+α」の価値をつけることで、「わざわざ足を運びたい」と思わせることが可能になります。前述の「谷根千」では、外国人向けの観光案内施設に日本文化を体験できる機能をプラスし、英語での観光案内と伝統文化の体験プログラムを行っています。

この施設で体験できるプログラムは約20種類もあり、茶道や着付け教室といった定番の人気メニューから、指圧・和太鼓・居合道などの珍しいプログラムも実施。より深く日本を知りたいと思う外国人観光客にとって、まさにここに来ないと体験できない伝統文化が数多く提供されているのです。

運営元の代表取締役である町野氏による考えはこうです。

『宿泊施設でお茶を出したりお買い物情報を提供するだけでなく、もっと日本の文化に触れる機会を提供していけば、外国人観光客にも喜ばれるし、日本文化の発信にもなる』。

ホテルや旅館、民宿が外国人観光客を効果的に集客するためには、「泊まる」ことだけを重視しているだけでは他店との差別化が困難です。外国人観光客の「もっと日本を知りたい・体験したい」というニーズを充たしてこそ、より愛される宿泊施設になっていけるのではないでしょうか?