コラム

ゴールデンルート外でも期待大!?地方部の宿泊施設は「リピーター」を狙え!

2016.03.23

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楽天トラベルや日本政府観光局のデータによると、最近、訪日外国人観光客の動向に変化があるのだといいます。それは「ゴールデンルートを外した観光」が人気を高めつつあるということ。これまでは外国人観光客にとって絶対的な人気のあったゴールデンルートについて、どのような変化が起きているのでしょうか。



リピーターはよりコアな日本を求めている

実は、日本にやって来る外国人観光客のうち、初めて訪日するという人が約半数を占めています。初訪日の観光客の多くは「ゴールデンルート」と呼ばれる定番観光ルートを辿る人が多い傾向にあります。

一方で、2回目以降の来日リピーターは、あえて「ゴールデンルート」を外した観光ルートを巡ったり、地方部を訪れたりする傾向が強くなっています。特に、FITと呼ばれる個別手配やフリープランを利用する客層においては、9割以上が日本の地方部への旅行に関心を持っているというデータもあります。

日本にやって来る回数が増えるほど、もっと新しい日本の魅力を知りたいと思う人が増えるのではないでしょうか?特に旅慣れたFIT層は、「見たい物・知りたいこと」に関して詳細なリサーチをして日本旅行に訪れます。逆に言えば、外国人にとってメジャーでない観光地でも、彼らの好奇心を刺激する「何か」があれば集客が可能だと言えるのです。

ベタで有名な日本の観光スポット人気は根強いものがあります。しかし、まだ多くの人に知られていない観光地や名所を、誰よりも先に知りたいと思う外国人観光客も少なくありません。一たびSNSやブログなどで人気に火が付けば、一躍世界的な名所になれる可能性もあるのです。

地方部の宿泊施設のメリットを活かそう

地方部にある宿泊施設は、都市部や観光地の宿泊施設に比べると立地の悪さや交通の不便さがあるかもしれません。けれどもメジャーではないことのメリットとして、以下のようなものが挙げられます。

  • 利用者が少ないのできめ細やかな対応が可能
  • 人の手の入らない豊かな自然を活かした景勝
  • 送迎や朝食など、サービス面での充実
  • 低価格での宿泊が可能

これらのメリットを売り込むことで、地方部ならではのアピールができるのではないでしょうか。宿泊施設においては、個人経営であっても、上記のようなメリットで訪日客の高評価を得ることができるかもしれません。

交通の利便性を重視する外国人観光客に対しては、送迎サービスで不満を解消。日本の自然を味わいたい観光客には、都市部では味わえないひと時を堪能してもらう。地方には地方ならではの魅力があり、それをわかりやすく宣伝することで、多くの外国人観光客を地方へ流入させることにつながります。

いまや、訪日旅行者の7割がFIT層であるといわれ、彼らの多くが地方旅行に強い関心を示しています。FIT層とリピーター訪日客と地方部のマッチングを成功させることが、今後の地方におけるインバウンド市場の拡大への近道となるのではないでしょうか。