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滋賀発!世界基準の「食品安全認証制度」がもたらすメリットとは?

2016.06.30

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食に関する安全性は、日本国内だけでなく世界中で重視されている項目です。特に旅行者にとっては、慣れない異国の地で食べる食物が安全であるかどうかは非常に重要です。毎日飲む水でさえ、外国のものが体に合わず体調を崩してしまう、というケースは珍しくありません。

では、世界的な基準に沿った認証制度で安全性が認められている食物を、旅行先でも食べることができるとしたらどうでしょう。また、旅行先にそういった認証を受けた飲食店が多くあるとすれば、それは海外旅行者にとって大きな魅力となるのではないでしょうか。



世界基準の安全認証制度とは?

日本の食品の安全性は、世界的に見ても高い信頼を得ています。しかし一方では、訪日外国人客からするとどのお店、どの食べ物が安全なのかわかりにくいという一面もありました。外国人からすると、日本の基準がどのように設けられているか知ることは難しいからです。

HACCPというのは国際基準の衛生管理の手法のことで、食品規格(コーデックス)委員会から発表され、各国にその採用を推奨している国際的に認められたものです。

HACCPでは、食品の製造・加工工程中に発生する恐れのある微生物汚染などの危害を事前に分析し、その結果に基づいて重要管理点を定め、連続的に監視することで、製品の安全性を確保していきます。

厚生労働省ではHACCP導入のための手引書を作成し、ホームページ上でダウンロードできるようになっています。乳製品や食肉製品、水産加工品などのように、食品の種類や製造方法によって異なるガイドラインが公開されているため、食品生産業に関わる人はぜひチェックしておくことをおすすめします。

滋賀県では3つの宿泊施設がHACCP認証を

滋賀県で本格的にスタートした認証制度「滋賀県食品高度衛生管理認証」では、HACCPに従って環境整備が行われています。「セーフガードしが」という愛称で、県内77の施設が認証されています。(2016年3月24日現在)

滋賀県では、2006年度から食品自主衛生管理認証への取り組みを始めています。2015年には国際的なHACCPに準拠した「滋賀県食品高度衛生管理認証」の制度を整え、同年4月1日から認証が開始されました。

2016年3月24日に行われた認証書交付式では、飲食店営業や食品加工・製造業に関連するいくつかの施設が新たに認められました。ホテルや旅館も含まれており、「湯元館」「びわ湖花街道」「ビジネスグリーンホテル日野」の3施設が認証を受けました。

今回、世界基準の認証を受けたことで、「食」の安全性が海外からの観光客に大きなアピールとなることが期待されています。

 

<参考>
厚生労働省「HACCP(ハサップ)」:
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/haccp/
滋賀県「滋賀県食品高度衛生管理認証(セーフードしが、通称:S-HACCP)」:
http://www.pref.shiga.lg.jp/e/shoku/01anzen/center/237shokuhinkoudoeiseikanri.html