その地域特有の産業文化財や産業製品を通じて、ものづくりの精神に触れることを目的とした観光旅行のことをいいます。日本では、東海旅客鉄道初代会長の須田寛によって初めて提唱されました。
産業観光では、昔の工場跡や産業発祥の地といった産業遺構を主な観光資源とします。また、各地域を支えている各種産業も観光資源となるため、稼動している工場の一般開放やガイドの設置など、企業側の協力も欠かせません。行政と企業の連携がスムーズに行われることが、産業観光成功の鍵となるのです。
国土交通省や経済産業省も産業観光を推進しており、「産業遺構を用いた地域振興」を提示しています。最近では石見銀山遺跡とその文化的景観、富岡製糸場と絹産業遺産群などの産業遺産が世界遺産に認定され、産業観光を後押ししています。