旅館やホテルにおいて、空調は経費削減の際に一番に見直したい項目の一つだといえます。特に経営年数の長い宿泊施設では、古い空調機器を長年使い続けているところも多く、電気代がかさむ一因になっていることすらあるのです。
空調に関する経費削減を進めるにあたり、まず最初の岐路になるのが、「現在持っている空調システムをそのまま使い続けるのかどうか」ということです。
最新式の空調設備はエコ機能や省エネ機能が優れていて、同じように運転させていても古い機器より低コストで済むものが多くなっています。初期費用がかかることにはなりますが、思い切って施設全体の空調を新しくすることで、大きな経費削減が実現するケースもあります。
しかし、規模が大きいホテル等の施設や、配管の都合上新しい機器の取り付けが難しい場合もあるかもしれません。
すぐに取り入れられる工夫だけでも変わる!
そんなときは、現在稼動している空調システムの効率を上げる工夫を取り入れてみてはいかがでしょうか。
具体的な案としては、以下のようなものが挙げられます。
- エアコンの洗浄を行う
- エアコンの設定温度を変える
- 共用部分の空調は省エネ機能で運転する
- 室外機および室内への日よけ対策
専門業者を入れることも可能ですが、自分たちで行うとより低コストです。
客室内の清掃の際や、共用部分の空調の設定温度をこまめに確認するとベターです。
基本的に人が通過する部分なので、必要以上に冷やしたり温めたりする必要がありません。「冷房」ではなく「送風」や自動運転、省エネ運転にするとコストカットにつながります。
エアコン自体を人感センサー付きのタイプに変えることも有効です。
夏場の冷房運転では、室内を冷やすことよりも室外からの熱をいかに遮断するかが重要です。窓の大きな客室や高層フロアの客室では、エアコンの利きが悪く感じられることもあるため、カーテンを遮光・遮熱タイプにしたり、日差しが直接室内に差し込まないよう工夫する必要があります。
室外器が直射日光を浴びる場所にある場合も、日よけ対策をすることで消費電力を抑えることが可能です。
後回しにしないで今すぐ対策を!
空調はホテルや旅館・民宿において欠かせない設備の一つです。大勢の人が一度に利用するため、多額の電気代に直結する設備であるにもかかわらず、設定温度や汚れの洗浄などの細かなケアはつい後回しになりがちです。
定期的な洗浄とメンテナンス、場合によっては買い替えを行うことで、大幅な経費削減につながるのです。