「VOD」は「Video On Demand」の略であり、視聴者が観たいときにいつでも観たい番組(プログラム)を楽しめるビデオサービスです。
個人向けでは、「Hulu(フールー)」や「U-NEXT(ユーネクスト)」といった業界大手のほか、ケーブルテレビ局やWOWOW、ネット通販最大手のAmazonも参入しているサービスとなっています。
手軽に利用できること、好きなときに好きなものだけ観られるという便利さから、ユーザー数が増加傾向にあります。特に若い層を中心に、これらのVODサービスは人気があります。テレビの地上波放送は見ないけれど、VODサービスは利用している、という人も増えてきているのです。
VODサービスの充実度とニーズのアンバランス
ネット回線と同時に導入できる、若年層の宿泊利用者を取り込める、といったイメージからVODサービスを新たに導入する宿泊施設は増えています。
一方で、古くから利用しているVODサービスを長年利用し続けているというパターンも少なくありません。
しかし、利用者の目線で見てみると、必ずしもこれらのサービスにはニーズがあるとはいえないのが実情です。
例えば、ホテルに導入されているVODサービス業者がどこかわからないため、利用の仕方や観られる番組内容がわかりにくいといった声があります。また、古い番組しか見られない、興味のあるチャンネルがない、といったケースも多々あります。
VODサービスは、業者によってチャンネル数やコンテンツの充実度に大きな差が生じます。契約料金を優先すると、利用者にはつまらないコンテンツばかりの内容となり、結果満足度が低下するという可能性もあるのです。
コンテンツが充実していたとしても、一泊利用の宿泊者の場合、観られる量には限りがあります。映画となると1~2本程度しか観られないという人も多く、コンテンツの充実度は全ての宿泊者にとって必要とはいえません。
また、VODサービスを有料設定しているホテルでは、利用者が事前に専用のカードなどを購入する必要があります。あらかじめカードの金額は決まっているため、使いきれなくてもお金を払わなくてはいけないというデメリットが生じます。これも、短期間の宿泊利用者にとってはVODサービスが使いづらくなる一因です。
乗り換えることでコスト削減につながる可能性も
そこで、ビジネスホテルや短期宿泊利用者の多いホテル・旅館では、ホテルの規模や利用者数に応じたVODサービスに乗り換えるという方法がおすすめです。
例えばサーバー不要のクラウドVODシステムなら、初期費用を抑えられ低コストでの運用が可能です。また、STB(セットトップボックス)レスのVODサービスであれば、すでに客室に置かれているテレビをそのまま利用しすることができます。省スペースかつ、専用リモコンや配線の手間もかからないため、コストを抑えて導入することができるのです。
以上のように、VODサービスは近年非常に多様化しており、コストとニーズに合わせた商品を選ぶことが重要な経費削減のポイントとなっています。