経費削減

古すぎるボイラー設備はどうすればいい?ランニングコストについての考察

2016.09.19

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多くのホテルや旅館で使われているボイラーは、全館でスムーズに給湯や空調を使用するためには欠かせない存在です。しかし、ボイラー設備の交換は大規模な費用と工事が必要になるため、設備が老朽化していてもそう簡単には取り替えられないのが難点です。ボイラー設備を新しくする場合は全館休業となる可能性もあり、古いボイラーを取り替えることに抵抗のある経営者の方も少なくないのではないでしょうか。

取り替え費用VSランニングコスト

ボイラーに関するランニングコストに注目すれば、古いボイラー設備を使い続けることは決して効率的ではありません。例えば老舗旅館などでは、古いボイラーの使い方を把握しているのが限定された古参従業員のみであるとか、一度ボイラーの運転を止めてしまうと再着火が難しいため、使用頻度の低いときでもボイラーをつけっぱなしにしておく、といったケースがあります。

こうったケースではボイラー専門の人件費、ボイラーを運転し続けるための燃料費などが必要以上にかかっていると考えられます。また、省エネルギー法の改正により、運転効率の悪いボイラーを使い続けていると将来的に税負担や法律違反といった予期せぬコストがかかる可能性もあります。

まずは現状を把握することが大切

ボイラーに関するコストを低減するための策としては、まず定期点検時にボイラーの運転状況を徹底的にチェックし、どれくらいの負荷が生じているか、燃焼を合理化する環境が整っているかどうかを確認することをおすすめします。専門家による診断を受けるのも良いでしょう。

また、水や温泉の使用量に気を配ることも大切です。特に湯口においてはボイラーで沸かした湯・水が出ていることが多いため、湯の出しっぱなしや漏水がないかを再度確認し、節水を心がけることも重要となります。

設備投資に余裕があれば、深夜電力を利用した電気ヒートポンプ式給湯システムや、ガスや油のボイラーと既存のボイラーを組み合わせて使うという方法もあります。時間帯や閑散期などによってボイラーの比重を変えることで、省エネとランニングコストの低減につながるのです。

ただし、電気ヒートポンプ式給湯システムはボイラーシステムに比べて初期費用がかかるため、費用対効果の見極めが重要となります。専門会社によるコンサルティングや、宿泊者の使用状況をチェックして上での導入が望ましいといえます。

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