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安く泊まれる上に利用客の満足度も高い!?驚きのホテル「スーパーホテル」の謎

2016.08.26

書籍名
1泊4980円のスーパーホテルがなぜ「顧客満足度」日本一になれたのか?Amazon
著者
山本 梁介
出版社
アスコム
価格
1512円

話題のビジネスホテル「スーパーホテル」会長が明かす「凡を究めて非凡になる」スーパー経営術!「感動のホスピタリティ」の秘密をご紹介!

今、日本を訪れる外国人観光客数が急増しており、都市部では深刻なホテル不足となっています。宿泊費用は高騰し続け、裕福な層をターゲットにした高級ホテルも続々とオープンしている一方で、ビジネスホテルやカプセルホテルなどの格安宿泊施設も人気が高まっています。

安く宿泊できるホテルは客室が狭かったり施設設備が不十分だったりと、決して満足度は高くない・・・そんなイメージを持っている人も少なくないのではないでしょうか。

しかし最近では、安く泊まれる上に利用客の満足度も高い、という驚きのホテルも登場しています。その一つが、本書で紹介されている「スーパーホテル」です。

顧客満足度で1位に輝いた格安ホテルとは?

本書の著者は、株式会社スーパーホテルの会長である山本梁介氏です。

慶應義塾大学の経済学部を卒業し、商社勤務を経て不動産事業に従事した経歴を持つという著者。シングルマンションの管理・運営を手がけた経験をもとに、1989年12月に「スーパーホテル」を設立しました。 

「お客様絶対主義」を掲げ、他のホテルとは一線を画す独自の方針を貫くことで、「スーパーホテル」は圧倒的な顧客満足度を得ているというのです。

本書では、創立者である著者による、「お客様を満足させるための極意」が展開されています。実際にホテル運営に活かされている実践術ばかりなので、本書を読むことで「スーパーホテル」の良さを取り入れることが可能になります。

  • スーパーホテルはなぜ多くの利用者から指示されているのか。
  • スーパーホテルがなぜここまで成長することができたのか。

これらの疑問に対する回答は、本書の中にあるのです。

スーパーホテルに学ぶ、人材育成ノウハウ

本書では、3つのテーマに沿ってスーパーホテルの魅力を紹介しています。

まずは、スーパーホテルが他のホテルに絶対負けないとされている「快適ホスピタリティ」について。これは第1~2章について書かれており、当ホテルがこだわる「安全、快適、ぐっすり眠れる」というモットーについても詳細に解説しています。

続く第3章、第4章では、ホテルオーナーとしての視点から、著者の経歴や思考プロセス、従業員の育成ノウハウについてまとめられています。ホテルや旅館のオーナーの方が本書を読むのであれば、この部分を集中的に読むのもおすすめです。

 第5章では「ホスピタリティの原点」について、著者ならではの持論が展開されています。ホテル経営者として成功し、今なお新化を続ける著者だからこその視点が光ります。

以上のように、本書を通読するとスーパーホテルがなぜ多くの利用者から支持されているのか、その答えを明確に理解することができます

ホテルの規模や従業員数に関係なく、スーパーホテルにしか出せない魅力を追求している姿勢は、ブランドホテルでなくても人気を得ることができることのロールモデルとなることでしょう。

ホテル業界の離職率は、他の業界よりも高いことが知られています。ホテル業界では転職してキャリアアップするのが一般的なため、自然と離職率も高くなる傾向にあるのです。

しかし、離職率の高いホテルでは質の高い従業員の育成が困難です。接客やサービス業務の質を高めるためには、従業員が長く、ホテルへの愛着を持って働いてくれることが理想的なのです。

多くの宿泊施設では、いかにして従業員を長く居つかせるかという悩みを抱えているのも実情です。

この点においても、本書は強い味方となってくれます。

著者が提唱する人材育成のノウハウは、スーパーホテルだけでなく他の多くの宿泊施設でも通用するものばかりとなっています。 

お客様に愛されるホテルを目指したい人に

本書で終始一貫して述べられているのは、「お客様に愛されるホテルになる」ということです。

ホテルは宿泊者がいてこそ成り立つビジネスです。その根本に立ち返り、今後もより多くの利用客を獲得するために必要な精神が、本書を通じて感じ取れるかと思います。

「利用者が多いホテル」ではなく、「お客様から愛されるホテル」を目指したいオーナーや従業員の人にこそ、本書は強くおすすめできます。「スーパーホテル」の成功の秘密を知りたいなら、ぜひ本書を手にとってみてはいかがでしょうか。

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