日本が世界に誇る「おもてなし」の精神は、今や海外のサービス業から真似されるほど、ブランド化されています。日本人が昔から行ってきた気遣い・思いやりの精神を活かし、お客様にきめこまやかなサービスを提供するのが「おもてなし」の心です。
海外からやってくる観光客の中には、日本で「おもてなし」を体験することを楽しみにしている人も多いといいます。しかし、漠然とした文化だけに、「おもてなし」とはどんなものかわかりにくいのが難点でした。
そこでこの度、経済産業省が「おもてなし規格認証(仮称)」制度の仕組みを取りまとめました。
サービスの質を3段階で評価
この認証制度では、レストランや旅館などのサービス業を3段階で評価します。
認証を希望する事業者は、「障害のある人や高齢者、ベビーカーでも利用しやすい」「外国人とコミュニケーションが取れる」など、30の項目のうち、21項目の基準達成を条件に第1段階から認証を受けていきます。
この「おもてなし認証制度」は、2016年夏ごろまでに試験的なエントリーの受け付けを開始、2017年から本格的な運用が予定されています。また、最上位の認証件数や評価基準についての詳細は今後決定されることになっています。
これまではサービス事業者それぞれの基準による「おもてなし」が提供され、質や内容にはバラつきがありました。
しかし、経済産業省による統一された制度基準が設けられることで、認証を受けたお店や施設であれば、確かな品質のサービスを受けることができるようになります。
日本にやって来る外国人観光客にとっても、安心して「おもてなし」を受けられる指標として歓迎されるのではないでしょうか。今後、日本のサービス業は、世界に通用する高品質な「おもてなし」を目指すことになります。
経済産業省の見込みでは、2020年までに30万件程度の認証が行われる予定ですが、最上位の認証は数十~数百件程度になると予想されています。上位認証のためには環境整備や外国語対応など、達成の難しい項目も数多く設定されることが考えられます。
今後増え続ける外国人観光客への大きなアピールになることは間違いないでしょう。
<参考資料>
平成28年3月11日 第4回「おもてなし規格認証」に関する検討会 事務局説明資料(中間とりまとめ)
http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/shoujo/omotenashi_kikaku/pdf/004_04_00.pdf
おもてなし規格認証 エントリーシート
http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/shoujo/omotenashi_kikaku/pdf/004_06_00.pdf