おすすめ書籍
宿泊予約を増やす実践テクニック80のチェックリスト付き。 著者の多くの経験・体験を元にホテル・旅館においての成功するウエブマーケティングを提案。昨今インターネット経由からの申し込みが多い中、事例を紹介し、お客様に見て頂き、気をひかせる、売れるプラン作りを紹介。 ホテル・旅館関係のみならず、多くのサービス産業でも 参考になる書籍となっている。
本書は、ホテル・旅館業に携わる人にとって、マーケティング面で即戦力となる一冊です。
すぐに役立つマーケティングテクニックがリスト形式で紹介されており、忙しい人は自分に必要な部分だけ拾い読みすることも可能です。
2020年の東京オリンピックに向けて、今から宿泊業で活かせるマーケティング術を身に付けたい人は、ぜひ本書を手元に置いておくと良いのではないでしょうか。
すぐに宿泊予約を増やしたい、という人のための本
本書の最終的な目標は、「宿泊予約を増やすこと」です。
今、日本には多くの外国人観光客が訪れるようになり、宿泊施設が不足するほどのインバウンド需要の高まりに注目が集まっています。都市部ではホテルの取り合いが深刻化し、中国人団体客による過剰予約や宿泊費用の高騰といった問題が生じているほどです。
しかしその一方で、国内の旅館数が減少の一途をたどり、多くの旅館が経営悪化に陥っているという事実もあります。ホテルに関しても、都市部以外に立地する施設では集客が思うようにいかず、経営が難しくなっているところも少なくありません。
宿泊施設は、まずは利用者を集客することが肝心です。
従来の電話予約から、インターネットを介しての予約が主流になりつつある現在。これまで通りの集客方法では効果的に予約を集めることができなくなっているのです。
そこで、本書で紹介されているマーケティングスキルが参考になります。
本書では、「ウェブマーケティングが経営の最重要ポイントである」と位置付けています。その上でウェブサイトの重要性についても触れ、ウェブサイトを訪れた人が「3秒で泊まりたいと思う」ようにすべきだと主張しています。
ここ10年ほどの間に、宿泊施設の予約はパソコンやスマホ・携帯電話を使って行う人の割合が急増したといわれています。いつでも思い立ったときに予約できるウェブ予約のシステムを整えることが、今後の宿泊業界で生き残るために必須項目なのです。
それでは実際に、何から手をつければ良いのでしょうか。
本書では第二章『売れるウェブサイトとは何か?』でサイトの構成・運営の仕方を細かく解説しています。また、続く第三章『PULL型営業の4つのプロセス』ではマーケティング理論を交えつつ、骨太な集客術の構築を提案しています。
一見難しそうに見えますが、用語には解説が付き、噛み砕いた表現で書かれているため、年齢を問わず読みやすいよう工夫されているのが感じられます。
また、章の最後にはチェックリストが付いていて、一つ一つ確認しながら作業できるのも嬉しいところです。
ウェブマーケティング初心者でも、本書があればすぐに実践できるのです。
ソーシャルメディアでシニア世代を集客!
LINEやツイッター、フェイスブックといった「ソーシャルメディア」は、旅行・宿泊業界にとって大きな集客ツールとなり得ます。しかし、効果的に活用できている宿泊施設はまだまだ少ないのが実情です。
そこで、一歩早くソーシャルメディアでの集客を実現するために、本書では具体的な方法を提案しています。
本書の第四章『ソーシャルメディア活用術』では、LINEを使った情報発信の仕方、ツイッターでの「#(ハッシュタグ)」の活用方法を紹介しています。また、成功事例として鳥取県皆生温泉の「菊乃家」のフェイスブックページを紹介しており、成功のポイントやスタートガイドを解説しています。
以上のように、次世代の集客法とも呼べるウェブ上のマーケティング実践術に特化しているのが本書の特徴です。
また、ソーシャルメディアを使うことで取り込めるのは、若い層だけでなくお金と余暇のあるシニア世代でもある、と著者は指摘します。今後の宿泊業界を盛り上げるためにも、ソーシャルメディアを介してシニア世代を呼び込む必要があるのです。
読むだけでなく、実行することで真価を発揮!
従来の集客法では客足が伸びないと悩んでいるオーナーの方はもちろん、ウェブマーケティングについて学んでいる人にとっても、本書は非常に役立つ一冊です。実践することを念頭において書かれている本書なので、読むだけでなく実行することで真価を発揮するのではないでしょうか。
本書は、ウェブ集客の基本的なノウハウから、より発展的なマーケティングスキルまで幅広くカバーしています。
一つ一つ段階を追って丁寧にスキルを伝授してくれる内容構成となっていて、まるでコンサルタントによる講義を受けているかのような感覚で読み進めることができます。
- 日本の宿泊業界の現況
- インターネットを介しての営業術
この二つについてしっかりと学びたいという人に、本書は最適な教科書だといえます。
さまざまなメディアでコラム執筆も手がける著者の語り口は、読みやすく親しみやすいのが流石といいたくなります。
業界のトップを走り抜けてきた著者ならではの熱い指導を受けたいと思ったら、ぜひ本書を手にとってみてはいかがでしょうか?