東京オリンピックを5年後に控え、毎年さまざまな国や地域から、多くの外国人観光客が日本を訪れます。彼ら・彼女らの目的やニーズを知れば、効果的な集客も可能になるのです。ここでは、日本にやってくる観光客たちの出身国や目的など、基本的なデータをご紹介します。
ここ数年、日本を訪れる人の数が一番多い国は?
日本にやってくる観光客数の第一位はどこの国・地域かご存知でしょうか?日本政府観光局の2014年のデータによると、一位はなんと台湾。次いで韓国、中国、香港、アメリカが日本を訪れる外国人の国別ランキング上位5カ国(地域)となっているのです。
日本人にとっては欧米人の観光客がよく目に付きますが、実は日本を訪れる外国人の多くはアジアの人々で占められているのです。つまり、外国人観光客に対するビジネスを成功させたいと思ったら、アジアの人々の好みや嗜好を理解する必要があるというわけです。
2014年の訪日外国人の数は約1300万人であり、これは前年比の約30%増でした。日本政府はそもそも2013年に、外国人観光客を1,000万人以上にさせるという目標を掲げており、めでたくこれを達成した数値なので新聞を始めとするメディアにも度々取り上げられ、ニュースを目にした人も多いかと思います。
しかし、これは日本にとっては大きな数字ですが、世界的に見ればまだまだ。日本のお隣である韓国では1400万人の外国人観光客を招くことに成功しており、外国人観光客数が世界一多いフランスでは、年間8500万人もの人が訪れているというのです。
外国から日本を目指してやってくる理由とは?
国土も狭く、観光立国としての実績はまだまだ浅い日本。そんな日本にわざわざやってくる外国人観光客たちは、何を目的としているのでしょう?
観光客数が上位を占めるアジア圏では、経済成長が著しく富裕層が増えている国も少なくありません。中国はもちろん、韓国やタイといった国々でも経済発展が進み、これまでより気軽に海外旅行に行ける人が増えているのです。そこで、距離的にも近く文化も似ている日本は、手軽に安く行くのにうってつけの旅行先となっているのです。
また、世界的に日本食ブームとなっていることもあり、ヘルシーで繊細な味わいの日本食や他の日本文化を体験したいという外国人も増えています。世界的に健康管理の重要性が叫ばれる中、日本の食事や文化は追い風を受けて広く受け入れられているのです。こうした背景も、外国人が日本を目指す理由となっていると考えられます。
さらに、日本が世界に誇る「マンガ」「アニメ」も多くの外国人の目的の一つです。外国人たちはマンガやアニメで描かれる世界や文化が、今も日本に根付いていると信じています。作中の世界感を体で感じてみたいと思い、はるばる日本までやってくる人も少なくありません。
こういった外国人たちは、作品の舞台になった町や地域などを散策し、日本でしか手に入らないグッズを購入するため日本にやってくるのです。
日本にやってくる外国人観光客たちの意外な実態についてご紹介しました。今後その数がもっと増えていくことが予想され、東京オリンピック時にはピークを迎えると予想される訪日観光客数。
出身国や目的など、正しい知識を持って受け入れることが、最適なおもてなしへの第一歩。
「観光客」と一括りにしてしまわず、一人一人のニーズに合ったおもてなしを提供できるよう心がけることが、多くの観光客を取り込むことにつながります。今回ご紹介したデータを元に、これからやってくる訪日観光客の人々への理解を深めていきませんか?