日本にやってくる観光客は、欧米だけでなくアジアからも増加中。特に中国や韓国は富裕層も多く、効果的に集客を成功させることが重要です。
しかし、同じアジア圏といえども、生活習慣や食事などの文化は異なります。特に衣食住に関する文化の違いは、互いに行き違いを起こしたり、不快な思いをしたりさせたりする可能性があります。ここでは、知っておきたいアジア系観光客の特徴をご紹介します。
国別、気をつけたい異文化のポイント
何となく似ている言葉があったり、外見が似ていたりして親しみを感じやすいのがアジア人観光客のメリット。しかし、同じアジア人だからと油断していると、大きなカルチャーショックを受けることも少なくありません。日本を訪れるアジアの上位5カ国について、知っておきたい文化の違いを見ていきましょう。
中国
- 食事は残すのが中国のマナー
中国では、食事は少し残しておくのが相手へのマナーです。出した料理が残されたからといって、食べ残しと思わないよう気をつけましょう。 - 時計の扱いに気をつけよう
中国語で時計は死や別れを意味する物。腕時計は問題ありませんが、ちょっとしたプレゼントに置時計や掛け時計を贈るのはタブーとされています。
韓国
- 人前では正座をしないのが当たり前
韓国では正座は罪人の座り方とされ、通常はあぐらをかいたり片膝を立てて座るのが一般的。日本人からするとお行儀が悪く見えますが、韓国では普通の座り方なのです。 - 年齢差、男女差、上下関係に敏感
韓国では目上の人を敬う気持ちが強く、男性を優先する場面もまだ根強くあります。韓国の人と接するときは、これらの関係性を尊重するようにすると、互いに気持ちよく過ごすことができます。
タイ
- 頭をなでたり触ったりしない
タイでは、頭は神様の宿る神聖な場所。むやみに人の頭に触ったりするのはタブーです。 - ワイ(合掌)
タイでは挨拶の際にワイ(合掌)をすることが一般的。ワイをしてもらったら、ぜひワイを返してコミュニケーションを取りましょう。ワイが無理なときは、笑顔で会釈するのでもOKです。
ちょっとした気配りで、お客さんを喜ばせよう
日本人の細やかな気配りは、世界的に見ても非常に水準の高いものです。多くの外国人観光客にとって、日本で受けられる気配りは感動物。そこで、アジア系観光客にはぜひ行いたいおもてなしをご紹介します。
①言葉が通じなくても積極的なコミュニケーションを
中国語や韓国語は、英語に比べ日本でも話せる人がまだまだ少ない言語。また、早口でまくし立てているように聞こえるときもあるため、多くの日本人が怯んでしまう言語でもあるようです。
言葉が通じないからと一歩下がってしまうと、「日本人に嫌われている」と感じる人が少なくないのだとか。国家間の微妙な関係性もあり、余計にそう感じてしまうのかもしれません。できれば、言葉がわからなくても笑顔で、一歩前に出てコミュニケーションを取るようにしましょう。
②アジアに向けたアピールを
これまで、多くの外国人観光客に対するアピールというと、英語メニューを用意したり、英語での説明文を添えたりと、英語圏の人たちに向けたアピールが主流でした。
しかし、今や日本を訪れる外国人の大多数はアジア人。これに目を向けなくてはなりません。
スタッフに英語を学ばせるのであれば、中国語も学ばせるようにしましょう。また、ハングル文字のメニューを用意したり、インドやマレーシアなど他のアジア諸国の文化についても学んでおきましょう。受け入れ態勢が整っていることが、利用者数の増加にもつながるのです。
これからはアジアからの観光客についてもっとスポットを当てていく必要があります。他よりも早く、より充実した受け入れ態勢を整えることが、今後の観光ビジネスを成功させる鍵といってもいいでしょう。