東京オリンピック招致の際、流行語にもなった「おもてなし」。日本ならではの細やかな気遣いの精神は、世界中からも非常に好感を持たれています。海外からやってくる多くの観光客は、日本人の「おもてなし」を楽しみにしています。
そこで、実際どのような「おもてなし」が人気なのか調べてみました。
海外から絶賛される「おもてなし」とは
日本人にとって当たり前の日常のワンシーンが、海外からの観光客にとっては特別な一瞬になることは珍しくありません。
例えば、日本の交通事情。バスや電車が時間通りに来るのが当たり前で、数分のズレですら問題になってしまう日本。しかし世界的に見れば、これほど緻密なタイムスケジュールをこなしている国は他にありません。
多くの外国人から見ると、公共機関の乗り物が時間に正確であることは驚きであり感動的なことなのです。旅行中は移動にかかる時間をできるだけ短くしたいものなので、日本のように時間に正確な乗り物はまさに旅行者の強い味方というわけですね。
また、日本のデパートは、外国人観光客にとってまさに「丸ごとおもてなし」のスポットです。第一に、お客様を選り好みせず、どんなお客様に対しても平等に対応してくれることは、日本ならではの接客精神といえます。そして豊富な食品が美しく陳列され、試食もし放題の「デパ地下」は、外国人の目には一種のアミューズメントパークそのもの。
店員さんは丁寧に説明してくれて、気になるものはどんどん試食できる上、日本の伝統的な食べ物から最新の流行フードまで幅広く購入できる品数の豊富さも魅力です。商品を実際に手に取ることができること、まるで市場のような活気とにぎわいが、外国人観光客たちにも人気となっています。
日常生活の中にある、身近な「おもてなし」方法
既述の通り、日本人にとっては当たり前のことが、海外からの観光客にとっては嬉しい「おもてなし」になることが多くあります。これは接客業や観光業に携わる人だけでなく、一般的な日本人にとっても簡単にできることなのです。
その一つが、食事のときの気遣い。和食は世界中で人気が高まり、多くの外国人観光客が楽しみにしています。彩がきれいで野菜を多く使い、出汁や和の調味料を使った独特の味付けは、海外からのゲストを魅了してやみません。
しかし、和食を食べ慣れていない外国人にとっては、見た目と味のギャップに驚いてしまうことも少なくありません。例えば和食のコースなどでよく登場する「茶碗蒸し」は、外国人にとってはプリンのように見え、甘い料理だと予想して食べたら「甘くなくて不味い」となってしまうことも。
これは口に合わないというよりも、事前の説明が足りなかったことが問題だと考えられます。食前に、「これは卵と出汁を混ぜて、具と一緒に蒸した料理です」と一言説明があれば、多くの外国人にも受け入れてもらえる可能性が高くなります。
同様に、納豆は「大豆を発酵させた食べ物で、匂いはすごいけど、栄養があって長期保存もできる日本のソウルフードです」と説明するだけで、随分印象が変わるのではないでしょうか。
料理の味だけでなく、蕎麦や焼き魚の食べ方、お箸の使い方など、私たちにとっての当たり前を外国人と共有すること。
これが、いつでもどこでも簡単にできる「おもてなし」です。特別な知識が要らないのに、観光客にとっても日本の良い思い出になること間違いなしですので、ぜひ実践してみてはいかがでしょう?