2020年に開催予定の東京オリンピック。
今後増えることが予想される外国人観光客を受け入れるため、さまざまなジャンルで受け入れ態勢を整えることが求められています。
都内でも外国人観光客の姿を見る機会が増えている中、区や市などによっては独自の取り組みを始めているところも。特に今、注目を集めているのが大田区なのです。
外国人観光客に人気の大田区。その理由は?
最近、大田区を訪れる外国人観光客が増えているという事実をご存知でしょうか?
羽田空港があり、日本入国の窓口でもある大田区。
しかし交通の便やアクセスの良さだけではない魅力が、大田区にはあるのです。
大田区では「ウェルカムショップ」と「まちかど観光案内所」という2つの制度を導入し、商店街や店頭での外国人観光客への対応力を強化する取り組みを行っています。
「ウェルカムショップ」制度は、積極的に外国人を受け入れる姿勢・体制の整ったお店や宿泊施設が登録する制度のことです。
事前申請によって登録すると、店頭にウェルカムショップのマークを掲示することができ、区から支援ツールや外国人対応のマニュアルなどを受け取ることできます。
登録されたウェルカムショップは大田区報や区のホームページに掲載され、観光協会の発行する観光マップにも記載される場合があります。
また「まちかど観光案内所」というのは、来訪者にまちの情報提供をする店舗や宿泊施設のこと。
観光マップやパンフレットを配布し、大田区の魅力についてよりローカルな視点からアピールしていく拠点になります。
「まちかど案内観光所」に登録すると、通常の営業利用客以外の来訪者にもトイレ・休憩スペースの提供をすることが求められます。
「まちかど案内観光所」に登録した店舗や宿泊施設に関しても「ウェルカムショップ」と同様、大田区が主催する研修に優先で参加できたり、大田区報などに掲載される場合があります。
まちぐるみで外国人観光客を歓迎することの大切さ
大田区で行われている取り組みのように、街ぐるみで外国人観光客を受け入れることはとても重要です。
一つ一つの店舗や宿泊施設ではアピールできる方法や範囲に限りがありますが、地域行政と一体でインバウンド対策を取ることで、より効果的で目立ったアピールが可能になります。
訪れる観光客にとっても、一つのお店を目的にするより街を目的に訪れるほうが、より魅力的で便利だといえるではないでしょうか。
街ぐるみで外国人観光客を受け入れることに成功している例としては、新宿区の取り組みが挙げられます。
「新宿インバウンド実行委員会」では、百貨店や家電量販店、宿泊施設などと協力して外国人観光客を呼び込むためのさまざまな取り組みを行っています。
新宿という街全体で観光客の呼び込みを行うことで、年々訪れる観光客数を増やすことに成功しているのです。
今後もこのような取り組みは東京全体、日本全体でスタートしていくと考えられます。
店舗や宿泊施設といった「点」ではなく、街や地域という「線」または「面」でインバウンド対策を行うことこそ、今後のインバウンド市場への対応として欠かせないものではないでしょうか。
<参考>
「大田区ウェルカムショップ」「大田区まちかど観光案内所」
https://www.city.ota.tokyo.jp/kanko/kanncomachidukuri.html