日本人が行きたい旅行先として、不動の人気スポットといえば「温泉」。特に冬になると、日々溜まった疲れを癒しに温泉に行きたくなる人も多いのでは。しかし、寒い季節になると温泉に行きたくなるのは人間だけではありません。
温泉にゆったりとつかるニホンザルを、テレビや写真などで目にしたことがある人は多いかと思います。そんな「温泉ザル」が、いまや日本の代名詞として海外で人気となっているのです。
世界で人気の「スノーモンキー」!
長野県 地獄谷野猿公苑では、冬になると温泉につかるニホンザルの姿が見られます。野猿公苑では、自然に近い姿で野生のニホンザルの姿を観察することができ、冬になると苑内の温泉に入るサルたちの姿も楽しめるようになっているのです。
餌付け・人付けによって人間に慣れた野生のサルたちは、手を伸ばせば届くくらいの至近距離で日々の生活を営んでいます。
動物園と違うのは、彼らが完全に野生であること。餌をもらいに来たり人に慣れてはいるものの、サルたちの生態は自然のままになっています。
そんなニホンザルたちは、寒い季節になると自分の意思で温泉に入りにやって来ます。まるで人間のような仕草でお湯につかるサルたちの様子は、日本人だけでなく海外の人々をも魅了しています。
サルたちが温泉に入るのは、地獄谷野厳しい寒さを乗り越えるため。人間のように体の汚れを落としたり、お風呂の入る習慣があるわけではありません。
つまり、地獄谷の冬の厳しい寒さ、近くに温泉があったこと、これらの偶然が重なって誕生したのが地獄谷の「スノーモンキー」なのです。まさに、世界で唯一の存在なのです。
スノーモンキーが海外で人気な理由とは
スノーモンキーが人気になったきっかけは、海外メディアによる報道や動画サイトへの投稿、ブログなどへの投稿を見た人への波及効果です。
あまりに気持ち良さそうな顔で温泉につかるサルたちの姿に、「行ってみたい!」「本物に会いたい!」と思う人々が急増。今では日本の冬を代表する風物詩として、国内外から大変な人気を博しているのです。
日本と海外諸国では、温泉の楽しみ方が異なります。日本のように「裸の付き合い」を楽しむ国はとても珍しいのだといいます。しかし、大自然に囲まれて温泉につかるという体験をした外国人観光客の多くが、その開放感と神秘的な光景に魅了されています。
そして動物たちまでが温泉に入るほど、寒さの厳しい日本の冬。日本では人間と同じ湯に動物が入ってきたり、至近距離でその姿を見られることも珍しくありません。
海外ではなかなか見られないこのような光景に、動画サイトなどを見た外国人の多くが大興奮。「スノーモンキー」に会うために、わざわざ地獄谷を訪れる観光客が増えているのです。
最近では外国人観光客向けのツアーまでが登場。参加費用は1万円ほどで、地獄谷はもちろんランチスポットや善光寺を巡る充実したツアー内容となっており、人気を集めています。
「スノーモンキー」をはじめとする温泉と動物の組み合わせは非常に人気があり、外国人観光客を呼び込むネタとしてはとても効果的。豊かな自然とそこで暮らす野生動物の生態を、海外へ紹介してみてはいかがでしょうか。