コラム

外資系ホテルこそお手本に!?「日本らしい」おもてなしポイントをおさえてリニューアルを検討しましょう!

2016.07.22

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日本におけるインバウンド市場の拡大を受けて、これまで運営してきた旅館やホテルの改装・建て替えを検討しているオーナーの方もいるかと思います。

これからリニューアルする古いホテルや旅館の場合、コンセプトをどうするかどうかは非常に重要な検討事項です。増え続ける外国人観光客を呼び込むためには、快適さに加えて便利さや次代の流れに合わせたサービスが欠かせません

しかし、ターゲットが外国人観光客だからといって、何もかも洋風にすればいいかといえば、実はそうでもないのです。



日本らしさを追求することが、集客につながる

「外国人観光客が快適に過ごすためには、洋風な部屋や洋食であることが望ましい。」

そんな風に考える人もいるかもしれません。

しかし、日本にやって来る外国人観光客の多くが、実は「日本らしさ」を期待しているのです。

もちろん、欧米からやって来る人にとっては、ベッドで眠ることや靴を脱がずに室内に上がれるスタイル、使い慣れた洋食器を使う洋食はストレスの少ないものです。良かれと思って、旅館の玄関で靴を脱がずに館内に上がるようにしたり、欧米の人が食べ慣れた味付けの料理を用意したりすることは、悪いことではありません。

けれども考えてみて欲しいことは、自身が海外旅行に行ったときの感覚です。建物も街の雰囲気も、全てが日本と異なる景色の中、現地ならではの食べ物を食べ、現地ならではの文化や習慣に触れることこそ、海外旅行の醍醐味です。

同様に、海外から日本にやって来る観光客たちも日本でしか味わえない料理や、日本ならではの雰囲気を味わうことを楽しみにしているのです。

日本人から見ると「時代遅れ」に見えるような和風な内装でさえ、外国人観光客にとっては目新しくユニークに見えることがあります。海外では見られないような建物や宿泊スタイルこそ、今後多くの外国人観光客の心を捉える可能性が高いのです。

ホテルビジネスの最先端を行く「和風のもてなし」

潤沢な資金を使い、ホテルビジネスの最先端を行く外資系ホテルでは、立地とニーズを行かした内装に力を入れています。

例えば浜離宮を望むコンラッド東京では、客室の床や壁に桜が描かれ、日本らしさを演出しています。

また、ヒルトン大阪では和素材を生かした客室が人気です。障子と襖をあしらった室内は日本らしい情緒を感じられる雰囲気で、外国人利用者にとっては新鮮さを、日本人にとってはホッと一息つける和みのひと時を演出してくれます。

外国人利用者を呼び込むためには、洋風で先進的なデザインと機能性が重要である、と考える人が少なくないかもしれません。しかし、宿泊施設においては、その土地ならではの風情や景色を楽しめるという点も利用者から重視されています。

日本にいるのに欧米の母国にいるような気分にさせる客室では、本当に魅力的とは言えません。異国ならではの体験ができる客室こそ、日本にやってくる外国人観光客が求めている客室だといっても過言ではないかもしれないのです。

もしあなたが、古びた旅館や民宿、老舗のホテルの客室をリニューアルしたいと考えているのであれば、機能性や欧米化よりも日本らしい最先端を意識することが今後の集客にとってプラスとなる可能性があるのです。