日本の国技である相撲は、海外でも日本を代表するものの一つとして有名です。日本国内では人気の低迷が危ぶまれていますが、実は海外での相撲人気は年々高まっているのだとか。
今、両国国技館での相撲観戦は、訪日外国人客に大人気の観光アクティビティなのです。
海外での相撲熱は急上昇中
近年の日本相撲界を見ていると、海外出身の力士の活躍が目立ちます。国内ではそれを問題視する意見もありますが、外国人力士たちの母国では相撲の知名度を上げる大きなきっかけになっているのも確かです。アメリカやモンゴルでは、出身力士が横綱になったことから、非常に熱心なファンが増えたのだといいます。
他にも、ブラジル、韓国、中国、ロシアなど、さまざまな国からやってきた外国人力士が大相撲で活躍しています。彼らの母国では取組の様子が生中継されたり、動画サイトで関連動画を検索する人が増えたりと、一気に相撲の知名度が上がっていきます。そこで初めて相撲の面白さを知ったり、取組の迫力を感じたりして、魅了されていく人が多いようなのです。
取組の成績によって徐々に格上になっていくという相撲ならではのスタイルも、相撲人気を高める要因となっているようです。遠い異国の地で頂点を目指す力士のひたむきな姿を自然と応援したくなる気持ちは、日本も海外も共通ですね。
両国国技館や相撲部屋が観光スポットに
相撲の聖地といえば、もちろん両国国技館です。近年、国技館には多くの外国人観光客が訪れるようになり、東京観光の際は絶対訪れたいスポットとして人気の地となっています。外国人客用の券売機では毎場所約3,000枚のチケットが販売されており、旅行会社主催の相撲ツアーもすぐに完売するほどだといいます。
また、相撲部屋の見学や体験入門も人気です。東京を訪れる際には事前予約さえしておけば間近で朝稽古を見学できるとあって、ここ数年、相撲部屋の見学を希望する外国人観光客の数がどんどん増えているのです。
国技館や相撲部屋を訪れた人がSNSや動画投稿サイトなどに情報を発信し、それを見た人がまた新たに相撲に興味を持つというサイクルができているため、今後も海外での高い相撲人気は続くでしょう。一度本物を見ると、その迫力や面白さに魅了されてしまう外国人客は決して少なくありません。心技体が一つになった相撲の魅力は、日本の観光素材として今後も世界に向けて集客力を発する重要なツールとなっていくはずです。