日本の食品は、高い安全性と味の良さから、海外でも人気があります。特にフルーツに関しては、見た目も味も良く、遺伝子操作がされていないものが多いという信頼感があるようです。
そんな中、日本で生産された「イチゴ」が今、大きな注目を集めているのです。
日本産の高級イチゴが高値で取引されている!
2016年2月11日付けで東洋経済オンラインが報じたところによると、「食べる宝石」とまで賞賛されている宮城県産の高級イチゴに海外から熱視線が集まっているのです。
(出典:2016年2月11日『外国人が殺到するイチゴ農園が宮城にあった 食べる宝石「ミガキイチゴ」は何がスゴイのか』/Infoseek楽天ニュース)
このイチゴは「ミガキイチゴ」という、宮城県山元町で栽培されているブランドイチゴです。
上質な複数品種のイチゴをまとめた”地域ブランド”であり、完熟ぎりぎりで朝摘みする、その時期に最も美味しい品種を農園から消費者へ直接届ける、といったこだわりがあります。品種改良には農家の熟練した技術を、ブランドの立ち上げから運営までにはITとサイエンスの力を活用し、その集大成として「ミガキイチゴ」がプロデュースされているのです。
これまで、日本国内ではイチゴは各生産地域やブランドが、互いに競争し合っていました。しかし、「ミガキイチゴ」は一つの品種だけでなくいくつもの品種をまとめてブランド化することにより、より安定的で確かな品質のイチゴを多くの人に届けることが可能になったのです。
さらに、インターネットを販売促進のツールとして取り入れることで、国内だけでなく海外市場へのアピールも効果的に行えるようになりました。結果、「ミガキイチゴ」は日本国内だけでなく、香港やムンバイといったアジアの大きな市場でも高い評価を得ることができたのです。今では、ただでさえ高級な日本のイチゴが、これらの海外地域ではさらに高値で取引されているという状態です。
イチゴ狩りが訪日客に大人気!
日本でも春先になると定番レジャーとなる「イチゴ狩り」。海外からの観光客にとっても、憧れのアクティビティとなりつつあります。
例えば、既述の「ミガキイチゴ」を生産している農園では、イチゴ狩りも実施しています。台湾のブロガーが山元町にイチゴ狩りをしに訪れ、それをブログに掲載したことをきっかけに、農園のウェブサイトのアクセス数が一気に伸びたのだといいます。さらにネット上で口コミが広がり、多くのメディアに取り上げられた結果、多くの外国人観光客がこの農園を訪れるようになったのだと言います。
イチゴ狩り人気は「ミガキイチゴ」だけに限った話ではありません。
日本のイチゴは味の良さに定評があり、特にアジア圏では高級品として人気が高い傾向にあります。近年のインバウンド市場では、「モノ」の購入よりも「コト」の購入に比重がシフトしていると言われています。
日本を訪れる外国人観光客にとっても、同様のことが言えます。「日本旅行の際には美味しいイチゴの摘み取り体験をしたい」と思う人がとても増えているのです。
インバウンド市場において、今後重要となっていくのは「体験型アクティビティ」です。イチゴ狩りをはじめとした、日本が誇る農産物の収穫体験は、これからも人気が高まっていくと予想されています。
日本の観光立国を実現するためにも、日本の農業は欠かせない存在となっていくのではないでしょうか。