山梨県の河口湖畔にイスラム教徒の戒律に対応したホテルが2016年7月21日にオープンしました。
訪日外国人旅行客が増える中、インドネシアやマレーシアからのムスリム旅行客の増加にあわせ、「シャリアホテル富士山」(富士河口湖町船津)がムスリム専用ホテルとして営業を開始。同町船津でホテルなどを展開する「T・S」が運営しています。
ムスリム向けに特化したシャリアホテルとは?
シャリア(شريعة Shari’a)は、イスラム法のこと。シャリーアとも呼ばれています。
シャリアの原則の一つは、イスラム教徒が非イスラム国に住んでいれば、彼らはその土地の法則に従うことを期待されている、ということがあります。 イスラム法は、それが明らかに競合しない限り、各ケースではその国の法律に則っり判断しますが、 イスラム法では、戒律で決められていることをイスラム教徒は行うことができません。
そのシャリアに則って運営されるホテルが、「シャリアホテル」です。
シャリアホテルとは、イスラム教の戒律に則ったホテルで(1)豚肉使用食品やアルコール飲料を一切提供しない。(2)イスラムの教義に沿った食べ物のみを提供する。(3)男女が同室を利用する際には結婚した証明書を必要とする。(4)女性従業員はヒジャブやスカーフを着用する。(5)室内装飾やパンフレットに注意する。などの規定が定めてられています。
ムスリムにうれしい設備やサービス
同ホテルでは、ウドゥー用の水場、礼拝室の設置、室内でのマッカの方向を示すシールを貼るなどの対応の他、アルコールや豚由来のものを一切使わず、肉はハラール処理された牛肉や鶏肉を使用、国内ハラール商品を扱い食事も提供するなど、ムスリムが安心して宿泊できる環境を用意しています。
設備/サービス
- 各所・各部屋にキプラを配置
- 礼拝室完備
- お祈り関連グッズの無料貸出し
- 施設内全館 禁煙・禁酒
- 食事は全てハラール食
ハラール対応
- ハラル認証取得の肉類を使用
- ハラル調味料を使用
- ハラル専用キッチン完備
- 専用調理器具・食器を使用
- 豚は扱っていません
- アルコールの提供は行っていません
- ノーポーク・ノーアルコール料理
インドネシアやマレーシアなど、ムスリムの多い国からの訪日も増えてきている近年、同ホテルのようにムスリムの方が不安なく滞在できる設備やサービスの提供がより求められるようになってきています。
既存のホテルや旅館内で専用の施設新設は難しいかもしれませんが、まずはムスリムやハラールについての理解を深め、対応できることから始めてみてはいかがでしょうか?
<参考・引用元>
JHCPO(一般社団法人日本ハラール認定推進機構) ニュースリリース:
http://jhcpo.com/syariah_hotel_fujisan/
シャリアホテル富士山 公式サイト:
http://fuji-bb.jp/jp/syariah/