コラム

【部門を知る!】いまやホテルの頼みの綱!?ブライダル収益に貢献する「婚礼部門」の業務について

2016.02.01

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宿泊だけではなくたくさんの人がホテルを利用する場面があります。それはパーティーや歓送迎会、ディナーショーや各種学会といった宴会場を使用した様々な会合です。宴会場を使用してのイベントは、ホテルの格を広く知らしめる重要な機会でもあるのです。その中でも婚礼に係る宴会の重要性は大変大きなもの。競争が激化しているホテル業界を一気に勝ち抜くために、婚礼部門で大きく収益を上げることは急務です。




婚礼宴会はなぜ重要?

開かれる宴会の収益の半分近くを占めるのが婚礼宴会(いわゆるブライダル)となっているホテルが数多くを占める日本。海外のホテルではそういった傾向は見られないことから、日本のホテル経営はブライダルに頼らざるを得ない側面が簡単に見てとれます。

婚礼市場でも収益力拡大を目指すことが、ホテルの繁栄と経営の安定を図る重要な要素の一つなのです。ホテルにチャペルを併設したり、ブライダルに特化した宴会場を用意するなどそれぞれのホテルが趣味嗜好を凝らした集客作戦を展開しています。

ブライダル市場は競争が激しい

かつては「祝い事に出費は厭わない」といった価値観が定着していたこともあって、景気の浮き沈み…各々のお財布事情に関係なく需要があった婚礼宴会。しかし、近年では略式ブライダルとしてドレスやタキシードを着て記念写真を撮るのみといったフォトウエディングや、両家の顔合わせとしての簡単な食事の場を設ける程度で済ませる家庭も増えてきました。更に追い打ちをかけるのが少子化と晩婚化、生涯独身率の増加です。結婚を迎える絶対数が減ってしまうということで需要と供給のバランスが昔と変わってきてしまっているのです。

2010年の時点で男性であれば2割、女性でも1割の人が生涯未婚というデータがあります。

(出典:公益財団法人 生命保険文化センター)
「生涯未婚率」というのは何のこと?

ブライダルマーケティング戦略を練るために

こういった現状を受けて、各ホテルは様々なカラーを出して集客にのぞんでいます。どのホテルでも見られるのが、「ブライダルフェア」なるものです。

ブライダルフェア

結婚を考えているカップルなら参加することが出来、結婚式を疑似体験できるというもの。ドレスを着たり、実際の式で出される食事を食べることが出来ると言った試着と試食がセットになったものが一般的。ここで一人当たりの単価は抑えながらも、結果自分のホテルで式を挙げてもらえれば良いといういわゆる「損して得をとる」構図から成り立っているサービス。

こういったフェアを開催して結婚式をより身近に感じさせ、憧れを実現するための階段を具現化することが戦略の王道として最近取り入れられているのです。

他にも、日柄を気にせず式を安く挙げたいというカップルに対して、大安以外…仏滅でも式を挙げる格安プランも人気を博していると同時に、夜に結婚式を挙げる「ナイトウエディング」も仕事をしている人が仕事を休まずに参加できると好評のよう。固定概念にとらわれずに新たな結婚式の在りかたを提案するのも得策といえそうです。

顧客の新たなニーズに応えられるような教育も必要!

婚礼部門の充実は、収益確保において必要不可欠。利用する人の様々なニーズに応じられる対応能力の高さと、基本的なサービススキルの向上を日頃から教育してく必要があるでしょう。