コラム

【部門を知る!】「調理部門」が生み出す、安心と信頼のおけるホテルの味

2016.02.19

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レストランやバーを担当し、宿泊部門と並んでホテル経営・運営において極めて重要な部門でもある料飲部門。その中で実際に調理する立場にある人達のことを調理職種に従事しているといいます。たくさんの料飲店舗と宴会場を持つホテルにとって、この職種の人がどれだけ重要な仕事を担っているかを再確認しておきましょう。



調理部門の組織的な階段について

ホテルでいうところの総支配人のポジションにいるのが、調理部門における総料理長(エグゼクティブ・シェフ)です。総料理長の指導のもと、副総料理長(スー・シェフ)が更に細かな指示を行ないます。各レストランのシェフからコックへ、更にアシスタントコックへと指示は引き継がれ、仕事に対する温度感にズレが生じないように意識統一を図っているのです。

調理部門の職種とは…

シェフ

調理部門で鍵を握る専門職。キッチンにおける責任者でもあります。キッチンのスタッフに調理に関する細かな指示を与えて、調理場を円滑な仕事場へと導き、味や盛り付けを確認しながら料理を完成させるという重要な役割をもっているのです。

ホテル内の調理場では分業制をとっているところが多い傾向があります。料理を一番美味しい状態でサービスするために、キッチンのスタッフが総力を挙げて連携プレーを行なうことが肝心になってきます。シェフは、その連携の頂点に立つリーダー的存在で、責任感のある人であり、スタッフへの気配り目配りに加えてコスト管理と確かな調理の腕が求められるポジションです。

ソーシエ

ソース類の仕込みをメインとした責任者のこと。ホテルを代表する味にもなり得るソース、ブイヨンやフォン、スープ。個性を大切にしながらもホテルらしい上品さと格式を兼ね備えたものである必要があります。

スープで有名なのが、帝国ホテル。コンソメスープやオニオンスープに始まり、いまではミネストローネやパンプキンスープに至るまでスープを缶詰にして販売しています。オンラインストアや百貨店での取扱いもちろん、お歳暮やお中元の商品として定着し、缶詰には帝国ホテルの文字とエンブレムが刻まれ、この上ない宣伝効果となっています。

出典:帝国ホテル
オンラインストア スープ缶詰

ブッチャー

肉類のカットを一手に引き受ける専門職。ハンバーグやソーセージといった肉の加工も担っています。

ガテマンジャー

サラダといった冷製料理をつくるセクションです。

パティシエ

菓子やデザート専門の料理人のことを指します。レストランではもちろん、宴会場でもそのスイーツが求められ、レストランのみならずホテルのティーラウンジへもケーキなどを提供するのにとても忙しいセクションです。お土産としてクッキー等を焼いて販売しているホテルもあります。

ブランジェ(ベイカー)

パン専門の料理人。日本国内のホテルでは、ベイカーと呼ばれることもあります。ホテルメイドの食品は、スイーツのみならずパンも大きな魅力のひとつ。ホテル内外に広く販売して成功をおさめた例も少なくありません。

調理部門の仕事を理解して、より良い商品展開を

ホテル経営において、食品は収益の多い部門でありますが、なにか不祥事があると一気に信頼失墜をしてしまう危険なセクションでもあります。仕事を理解し、従事する人たちの心身の健康にもマネジメントをしていかなければ、料飲部門の安全は守られないということを肝に銘じておきましょう。