前回、外資系ホテルが強いとされている理由の一つとして紹介した予約システムGDS。それに加えて、ホテル業界のマイレージプログラムであるFGPを使った顧客の囲い込み戦略が行われています。全世界のホテルで採用されているこのシステムには、どういった魅力があるのでしょうか。
航空会社との連携を密にできる究極の武器
FGP(Frequent Guest Program)は当初、頻繁にホテルを利用するビジネスマンを対象に始まったサービスでした。最近では、個人手配旅行などもターゲットとするようになってきています。宿泊に限らず、ホテルで食事をした金額ベースでポイントが貯まると、特典として次回のホテル宿泊時に半額となったり無料で宿泊できたりするようになるといったメリットが利用者にもたらされるのです。また、提携している航空会社へマイレージとして移行することも可能です。
ホテル業界の再編が世界的に求められている今、世界規模で展開するこのFGPシステムはホテルにとっても航空会社にとっても、そして利用する顧客にとっても大きなメリットがあるのです。
コストをかけずに顧客を掴むことが可能に!
ホテルにとって、リピーターを増やすというのは新規顧客開拓と併せて重要なことです。満足度を上げて、同じホテルを利用することが増えればそれは「囲い込み」となります。そこのホテルに泊まる度にポイントやマイレージが貯まるのであればお得!と繰り返し利用する人が増えれば、新規顧客開拓に多額を投資する必要が無くなるので、集客のためのコストが軽減され、収益が上がるのです。
顧客は、ポイント獲得のために同じホテルを繰り返し利用することになります。リピーターによる宿泊によって、ホテルの稼働客室数が増加し、新規顧客の数によって収益が左右されることなく、収益を安定することにも繋がる…一石二鳥どころではない強力なシステムといえるでしょう。
ホテルに泊まってマイルを貯める「お得」を武器に
日本国内大手のANAとJAL。マイルは航空機を利用するだけではなく、ネットでのお買い物や電子マネー、そしてもちろん、ホテル利用でも貯まります。この2社の場合、提携ホテルへの宿泊の際にマイレージ会員証を提示するだけで簡単にマイルを貯めることが可能です。また、インターネットから会員ページにアクセスすることによって、貯まったマイルの状況を確認することも可能です。
手軽でかつ「お得」というのは多くの日本人が求めるサービスのひとつ。ホテルに泊まってマイルを貯め、更にそれを航空会社利用やショッピングで使う…逆も然り、マイルが貯まるか貯まらないかは、顧客が商品を選ぶ際の大きな判断材料になっているのです。
参考例『JAL マイレージプログラム』
https://www.jal.co.jp/jmb/index01.html
JALマイレージバンクは、JAL機への搭乗や提携ホテルへの宿泊・ショッピングなどでためたマイルを、航空券や電子マネーなどの豊富な特典と交換できるJAL独自のマイレージプログラム。利用する人にわかりやすい特典プログラムが用意されており、お得に賢く暮らす…という理想が掲げられています。