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深刻化する宿泊料金の高騰・・・爆買い中国人団体客との関係とは?

2016.03.10

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今、東京をはじめとした都市部では、ホテルの宿泊料金の高騰が深刻化しています。

これまでは宿泊料金が低価格化しており、ビジネスホテルなら一泊5000円程度であれば「探せばある」・・・という状況でした。

しかし近年、訪日観光客の数が右肩上がりに増加を続け、2015年には年間の入国者数が1900万人を突破。このインバウンド市場の急激な拡大を受け、ホテル業界は一気に勢いを取り戻してきた感があるのです。需要の増加に伴い、ビジネスホテルの宿泊料金は加速度的に上昇しています。平均客室単価を見ると、東京では前年比で約2000円の増加、大阪では3000円も上昇しているのです。

象徴的なのが、格安宿泊料金で他社との差別化を図っていた「アパホテル」です。



格安ホテルが料金引き上げ

一泊平均7000円という宿泊料金で、それまでのビジネスホテルの宿泊単価に大きな風穴を開けた低価格ビジネスホテルである「アパホテル」。新規出店の際には5000円で宿泊できるサービスを行い、多くのビジネスマンから支持されてきた実績を誇ります。その「アパホテル」がここへ来て、需要に伴う料金引き上げに踏み切っているのです。

例えば2015年9月に東京・新宿にオープンした「アパホテル新宿歌舞伎町タワー」では、シングルルームが素泊まりで通常時1万円代前半に設定されています。しかし、訪日観光客の増える3~4月の週末には、同じ部屋で同じサービスの予約を取ろうとすると宿泊料金が3万円台に上がっているのです。これは、この時期に大きな需要が見込まれる中国人団体客を想定していることが理由に考えられます。

なぜこんなにも値上がりする?

中国人団体客の場合、来日する半年~1年前にはホテルを大口予約で押さえてしまいます。そうして取れるだけ予約を取ってから、部屋の条件などを吟味して、実際に宿泊する部屋を決めるのです。

日本のホテルでは宿泊日直前までのキャンセルにはキャンセル料がかからないことが多く、こういった大量予約と直前キャンセルがしやすい状況にあります。このため、直前までキープされてキャンセルされる客室が多くなり、主要都市や人気の観光地などではホテルの予約が取りにくい状態になってしまうのです。