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観光庁 日本の経済成長のために旅館・ホテルの生産性向上を促進する事業をスタート!

2016.08.02

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観光庁は内閣府の予算を活用し、旅館・ホテルの生産性向上を促進する事業を実施することを決め、全国20ヶ所で6月下旬より全3回の日程で実践型の講座やワークショップがスタートしました。今後、経営改善を後押しするコンサルティング事業を実施していく予定です。



旅館・ホテルの重要課題である生産性の向上

旅館・ホテルをはじめとしたサービス産業の生産性向上は、政府が重要課題に上げている日本経済の成長戦略の一つです。昨年5月には、日本旅行協会の針谷了会長をはじめとしたサービス産業5分野の代表が招かれ、安倍晋三首相自らが取り組みの強化を要請しました。これを受け、2015年度補正予算では内閣費に関係事業費が計上されています。

国内の旅館やホテルの中には、「リピート客の獲得」を課題に掲げているところが少なくありません。リピート客は低コストで利益を出すことが出来る生産性の高い顧客であるため、一度来てもらった宿泊客にいかにしてもう一度訪れてもらうか、ということは宿泊施設の経営上かなり重要となります。

しかし、OTAの台頭やネット環境の普及により、利用者は低価格で宿泊できる施設を探しやすくなり、初めてその旅館やホテルを利用する人に適応される割引サービスも見つけやすくなりました。長引く不況により安く旅行したいという志向が高まっていることもあり、良質な宿泊施設といえどもリピート客を拡大することは容易ではありません。

より専門的な観点が必要

そこで、今回の政府指針に話は戻ります。老舗旅館の倒産が相次ぐ中、これまでと同じ経営方法ではリピート客の拡大は難しいという現実があり、しかしながら具体的にどのような策を講じればいいのかは各旅館・ホテルが独自に考える必要があります。

とはいえ古くから続く旅館やホテルの経営者の中には、生産性向上のために有効なコンサルティングスキルやマーケティングスキルを持っている人はそう多くはありません。確実に生産性を上げるためには、より専門的な観点から顧客の動向を観察・分析し、実践的なデータに裏打ちされた対策を講じることが不可欠です。

このため、政府が後押しをする形で長期的なモデル事業を実施。公募によって選ばれた施設を実際にコンサルティングし、経営改善の指導を行うことで、好事例を抽出したい考えです。

観光庁ではここで得られたデータや課題と成果など事例のついて冊子やウェブサイト上にまとめ、全国の旅館やホテルに紹介していく予定となっています。

<参考>
観光庁 報道発表(2016年6月3日):
http://www.mlit.go.jp/kankocho/news06_000270.html
募集案内チラシ:
http://www.mlit.go.jp/common/001133409.pdf